連休明け市況展望
コスト転嫁は道半ば
プレカット受注堅調も収益圧迫
木材・建材の市況は海外産地の状況、国内の住宅需要、そして円安の要因が重なり、久しぶりの高騰局面を迎えている。産地価格・メーカーの値上げが需要家である住宅メーカーや工務店に受け入れられていくのか、値上げが進むことで代替資材への移行はあるのかなど、今後の動きが注目される。値上げを受け入れないと、資材の安定供給を受けるのは難しくなるため、ある程度の値上げを受け入れたうえで、コスト上昇分をどのように転嫁、吸収していくのかが連休明けの大きな焦点になる。
木材関係では、米国の住宅市場の回復に起因する北米製材市況の高騰が2×4ランバーを中心に日本市場にも影響を与えており、SPFの第2・四半期のJグレードの価格は610㌦(C&F、1,000BM、ノミナル)、国内のコンポーネント会社の販売価格も第1・四半期比で1万円(㎥)以上値上がりしたことになり、圧倒的な価格競争力は急速に低下してきた。輸入材は為替の影響で全般にコスト高が進行している。需要面が堅調なこともあり、欧州材、欧州産構造用集成材、米松KD材平角などは軒並み1万円(㎥)幅で値上がりしており、構造材の価格帯が20~25%程度引き上がっている。価格の値上がりにより供給量が拡大し、相場を冷やすのが常だが、構造材関係はすぐに供給拡大できる品目が少なく、輸入材の値上がりが国産材製品にも波及してきている。特に代替が容易な柱、間柱の分野では杉とWウッドの競合が激しく、Wウッド集成管柱が2,000円(本、プレカット工場着)は㎥換算で6万円を超えてきた。杉KD柱角は5万5,000円(㎥)で価格的なメリットがあるため杉への引き合いが増えている。国産材は丸太価格への影響は出ていないため、製材メーカーは増産で対応したいところだ。
構造用合板は、需給調整が進んだことで昨年後半から値上がり基調になり、12㍉で900円(枚)まで値上がりしてきた。ただ連休前には荷動きはやや一段落、ルート販売が落ちてきており、このまま値上がり基調を維持できるかは今後の荷動き次第だ。連休明けの市況を展望した。
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