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 No.1906号

大手ゼネコンの木造対応

コンクリートと共に木材も
耐火性能とコスト対応に直面

2000年の建築基準法の性能規定化で木造でも耐火構造の建築が可能になり、都市部での中高層の木造建築の可能性がでてきた。耐火木造、都市木造など新たな建築のジャンルが登場し、ゼネコンが技術・開発力を活かしてこの分野での取り組みが始まった。

 今年は竹中工務店の開発した燃エンウッド(1時間耐火認定、モルタルによる燃えどまり型集成材)を使った物件が3月に大阪で竣工、横浜でも9月に1万㎡規模の商業施設が完成、計画から7年以上が経つ下馬の5階建て集合住宅も3月には上棟するなど、ここにきて都市木造が相次いで実現する。規模小さいが鹿島建設が開発したFRウッド(1時間耐火、不燃処理した木材を使った燃えどまり集成材)を採用したカフェも近く完成するなど耐火木造の工法も出揃ってきた。

 1987年の大断面集成材のJAS制定、92年のスーパーハウス、出雲ドームの建設など大規模木造建築物がブームとなった。96年の長野冬季オリンピックのスケート会場「エムウェーブ」、97年の大館樹海ドームなどの巨大な木造建築が各地で建設された。木造ドームなどの需要が一巡し、建築基準法38条が2000年の性能規定化とともに廃止され、新たな設計方法の確立などに時間を要した。鋼材内蔵型のハイブリッド集成材が開発され、金沢のエムビルが建設されたのが05年。日集協が鋼材内蔵型ハイブリッド集成材で1時間耐火構造の認定を取り、丸美産業の本社ビルは08年、ポラテックのウッドスクエアは12年とハイブリッド集成材による物件も建設されている。

ゼネコンはその技術力を活かし、これまでにないような木造建築物を提案し、実現できる環境が整ってきたといえる。ただ、木造耐火構造は住宅や老健施設以外の分野ではまだまだ件数は少なく、他の構法に対してコスト高につく。ゼネコンでも耐火集成材を開発や構法開発が受注に結び付きにくいのも現実問題だ。大手ゼネコンの木造対応を取材した。

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