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 No.1863号

2011年レビュー②米加材

合板用で米松丸太が増加
素材の安定供給が強み

米加産丸太、製品の11年の入荷実績は、東日本大震災による国内需要の減少などが懸念されたものの、その影響が極めて小さかったことを物語る実績となっている。米加産丸太の入荷実績は、307万㎥(前年比6%増)、製品の入荷実績は278万㎥(同1.4%増)となっている。丸太、製品ともに他産地と比べものにならない大幅な入荷量を誇っており、国産材に対する一つの対抗軸となっている。

 11年を振り返るキワードとして「震災での入荷状況」が上げられる。

震災が起こる以前の入荷量(1~2月)までの入荷実績は、丸太で、製品でともにさほど活発になる状況ではなかった。むしろ10年後半から、両分野ともに国内需要が好調であったことで、製品ではSPF製品、丸太では大手製材所向けの米松丸太など冬場の在庫を調整する事態にあり、活気づいて入荷を増やすまでになかった。その状況のなか起きた東日本大震災の影響は、春先に向けての需要を踏まえ在庫を控えていたなかでのことに、資材不足を起こす要因となりうるものであった。実際は、震災の影響により東北向けへのものをどう振り分けるか、またその他の地域に向けては供給不足が起きないようにする方針を、シッパーや商社が打ち出したことで不足は起きなかったが、この不足を起こさなかったことでより米加産丸太、製品の需要を定着させられた面がある。米加材の11年を振り返る。

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