2012年3月19日 No.1863号
2011年レビュー①商社
製品輸入に傾斜
グローバル化では足踏み
2011年、商社の貿易業務は内外市場で揺さぶりを受けた。業務拠点は丸太が親会社、製品が子会社(建材商社)と分担しているが、今やその機能はほとんど変わらない。昨年を振り返ると大筋3つの流動きに要約される。
1つ目は、上半期は東日本大震災によって資材供給の混乱を最大限抑えるために、合板他の復旧資材を緊急輸入したことで、結果として輸入と販売のタイミングで収益に大きな較差が生まれた。
2つ目は、期を通じて進んでいたドル安・ユーロ安・円高により米材、欧州材など針葉樹製材品を安価で市場に供給することが出来た。顧客とのコスト確定方式で商いしていることで、資材を量的に捌く会社との取引では相互に収益面で寄与したが、想定されたほどには収益は還元されなかった。
3つ目は中国を中心とした3国間貿易拡大を図ったが、後半は中国に金融引き締めによる注文数量と仕入れ価格の下落で大きな損失を蒙った。需要が縮小する傾向にあり日本市場から限りない需要創造が見込まれる第3国への展開は商社ならではの行動であるが、図らずも高い授業料を払うことになった。しかし、商社の活動は今年の結果を見て3国間貿易撤退となることよりもむしろ、市場や人脈など当地国のマーケティング材料を得たことで今年は事業拡大への再出発を確認する年となる。数量の拡大は商社の最大の魅力である。
今回は、住友林業、伊藤忠商事・伊藤忠建材、双日・双日建材、丸紅建材、三井住商建材、住友商事、阪和興業、三菱商事建材、大陸貿易、天龍木材、日本製紙木材、王子木材緑化、ユアサ木材、ナイスの各社の動向を取りまとめた。
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