No.1821号
震災の混乱から、今後の需給動向を展望する
合板需給がカギ握る
仮設住宅向け需要も台頭
東日本大震災が発生して2カ月が過ぎた。被災地である東北の太平洋岸が地震だけではなく津波が襲ったことで、国内の合板生産能力の約3割にあたる合板工場が大きな被害を受け、震災当初から合板不足が懸念され、一時は市場から合板が消える事態も発生した。さらに、福島第1原発が被災したことによる放射能汚染が広がり、事態は深刻かつ複雑な状況になってきた。
今後の注目は復興住宅の需要がいつ、どのくらい出てくるのかと、被災地以外の住宅市場がどう動くか。供給面では、合板不足を見越して手当てした輸入合板・ボード類の入荷が始まることで、落ち着きかけている国産針葉樹合板市況をも巻き込んで、相場が下落する恐れがあること。今後、品質やサイズが日本市場に合っていない合板・ボード類が大量に入荷する予測が聞かれる。一般住宅市場が自粛ムードに引きずられて低迷するようだと、合板だけでなく、構造材などの市況も一気に悪化する可能性がある。先の電力問題もあり、今後の市場動向を注視していく必要がある。
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