No.1817号
④レビュー2010年、合板・木質ボード、欧州材
木質パネル、分譲住宅向けに需要増加に転じる
欧州材、集成材・ラミナで安定供給
特集1 合板、木質パネル
2010年の木質パネル(合板と木質ボード)供給量は、前年比11.1%増の増加となった。パネル需給は06年から4年連続で減少を続けたが、昨年はやっと増加へ転じた。首都圏中心に戸建て分譲住宅が好調だったことで、国産針葉樹合板を筆頭にしてパネル需給を押し上げた。一昨年から昨年にかけての製品市況の低迷で、製品在庫の圧縮が進んだことも前年比増へ貢献している。
合板は内外産が前年比13.1%増で、木質ボード(HB、MDF、IB、PB、OSB)も同6.8%の増加となった。輸入品は円高が呼び水になったが、輸入合板に関しては原木不足がネックとなって供給量の伸び悩みとなった。昨年の国産針葉樹合板の生産量は230万9,800㎥で、前年比19.8%増と上昇幅が特に目立った。
特集2 欧州材
10年の欧州産針葉樹製材品の輸入量は228万㎥と09年比で12%増加した。輸入量は09年には増加に転じたが、10年になってようやく200万㎥を脱した。
欧州の林産企業が収益確保を最優先とした事業展開に舵を切ったことで、10年はこうした産地事情を大きく反映した価格展開になった。ユーロ安が幸いし、欧州側のこうした思惑を通しやすい環境にあったことも、欧州側にとっての救いとなった。
日本市場では、Wウッド集成管柱不足をきっかけに構造用集成材や原料ラミナの産地価格の大幅な上昇を招いたが、奇しくもこれが日本の構造用集成材の市場で欧州材が欠かせないものであることを印象付けることとなった。日本での構造用集成材市場は、欧州材が担っていると言ってもいい。
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