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保存・薬剤処理材、土木用材

 日本木材防腐工業組合(鈴木龍一郎理事長、24社・42工場)の13年加圧式保存処理木材(防腐木材)生産量は、08年以来5年ぶりに20万立方㍍台に回復した。年間20万立方㍍のうち、建築材の土台が53.5%と過半数は住宅の防腐土台が占めている。保存処理メーカーの大手は組合に加盟しているが、加圧式防腐木材を生産する工場数は組合員外のほうが3倍規模多い。このため、全体の加圧式防腐木材生産実績は20万立方㍍よりさらに30~40%はプラスされると予測される。

ザイエンス

幅広い分野で木材の耐久性向上

 

 木材保存処理大手のザイエンス(東京都、田中隆行社長)は木造住宅をはじめとする多様な木造建築物の耐久性向上に向け、積極的な商品、技術開発に取り組んでいる。併行して安定的な供給体制整備に向けた防腐防蟻処理木材製品供給体制の拡充、保存処理木材製品とシロアリ対策を組み合わせた20年間の住宅長期保証システム「新ロングライフ20」などの住宅支援システムも構築している。保存処理対象木材製品も製材、集成材、合板、木質ボードと広がっている。同社ではLVLやCLT等への対応も今後の課題としており、一段と重要性を増す建築物木部耐久性向上ニーズに総力をあげて取り組んでいく。

佐々木木材防腐

新品枕木を独自仕上げ

 

佐々木木材防腐(群馬県前橋市、佐々木国雄社長)は、保存処理木材のJAS認定工場。防腐防蟻注薬缶2基で月間1000立方㍍の生産能力があり、信頼性の高い製品づくりでニーズに応えている。杉間伐材を活用した枕木が好評で、ホームセンターをはじめエクステリア関連企業、末端ユーザーまで幅広い層に販売している。

九州木材工業

在庫販売を拡充

 

 九州木材工業(福岡県筑後市、角博社長)の保存処理木材「エコアコールウッド」への引き合いが好調だ。原理原則は加圧注入と同様ながら、薬剤定着のメカニズムが他の保存処理木材と異なるため生産工程は約40日を要する同製品だが、国産材杉、桧を活用でき、耐久性が高く、割れが少なく、無毒性という長所を持つことで、各方面のユーザーから高い評価をえている。

鶴居産業

四国地区を主軸に全国へ注入土台を販売

 

 米松丸太挽き製材大手の鶴居産業(愛媛県松山市、青木敬三社長)は、加圧注入式防腐防蟻処理木材製品製造販売にも力を入れており、自社製品、委託加工で月間400~500立方㍍の防腐防蟻処理木材製品を製造する。原材料ではBC州沿岸産米ツガ小角を主力としているが、桧グリン土台にも取り組んでいる

加賀木材

不燃木材「もえんげん」、非住宅分野で引き合い増える 

 

 加賀木材(石川県金沢市、増江世圭社長)は杉の不燃木材「もえんげん」を発売して7年が経過したが、国産材の利用や木材の非住宅物件などの利用機運が高まり、建築設計、公共団体、建材商社などから利用打診が相次いでいる。4月からはハウスソリューションでもえんげんに対する10年間の品質保証も付与され、利用の安心度も高まった。

兼松日産農林

乾式加圧注入土台の需要拡大

 

 兼松日産農林(東京都、高崎實社長)の26年度3月期売上は120億円(連結)を超えて増収増益。保存処理木材を掌握する木材建材事業部の売上割合も40%台に乗せて、販売数量は「消費税の駆け込みからハウスメーカー、ビルダー向けの販売数量は前期比で増化したが、資材高騰分ほど価格転嫁が出来なかったので、保存処理木材部門だけ減収になった」(高崎社長)。

三井化学産資

気密補助に防蟻性能

 

三井化学産資(東京都、山田昌和社長)の防蟻剤混入型現場発泡ウレタンフォーム「ハイプレン防蟻フォーム」シリーズは、給排水・ガス管や土間コンクリート、布基礎等のコンクリートのすき間やクラック、アンカーボルト穴や羽子板ボルト穴など、住宅の様々な箇所からの白蟻侵入防止に用いられるほか、食害を受けた既存の断熱材の部分防蟻補修などにも役立てられている

環境パイル(S)工法協会

環境パイルは前年度比70%増

 

 木材を利用した環境負荷軽減工法を推進している環境パイル(S)工法協会(高崎實会長、兼松日産農林ほか会員12社)は昨年、北海道から九州まで各地域に会員企業が立地したことから、全国的に広範囲な「環境パイル」需要にも対応できる組織になった。同時に木杭の木材保存処理や杭丸太加工などの技術・資材供給力を発揮して、2013年度(13年4月~14年3月)は、12年度比、約170%弱の伸びを示している。

遠藤林業

在庫品なら翌日配送

 

 遠藤林業(福島県石川郡、遠藤秀策社長)は、主に土木用資材を東北全域にある6工場で生産している。年間の国産材原木消費量は約15万立方㍍だ。繁忙期である13年度末の1月から3月にかけては、本社・古殿工場と鏡石工場で1日200立方㍍前後の製品を出荷していた。両工場の年間ペースは月間3000立方㍍の出荷だという

日本ボレイト

ホウ酸施工士での施工で実績伸ばす

 

日本ボレイト(東京都、浅葉健介社長)では、自社におけるホウ酸処理の各種製品販売という形でなく、専門施工者であるホウ酸施工士でのホウ酸処理によって、ホウ酸処理での白アリ対策処理の確実性を高めてきた。同社は、ホウ酸処理薬剤のティンボアPCを使用し、同使用薬剤を使ってホウ酸処理を行うプロフェッショナルによる「ホウ酸施工士」での責任施工での「ボロンdeガード工法」を進めている。

ヨシダ

安定した品質・精度の製材品を短納期で納品

 

 ヨシダ(北海道苫小牧市、吉田良弘社長)は、道産トド松を主原料にした仮設用桟木や型枠用材を生産・販売している。 13年の丸太消費量は、3万2000立方㍍(トド松95%、アカエゾ松5%)と前年を約5000立方㍍上回った。これは、同社が主体としている関東向けのなかでも東京が再開発等で需要増となっているため、道産トド松桟木の販売が堅調だったことが反映された

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