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ムクフローリング

 ムクフローリングは、完成品輸入の勢いが増している。主力のナラ、カバは中国が圧倒的だが、最近では欧州からのパインやナラ、タモ、ベトナムからの熱帯の銘木類、インドネシアやミャンマーからのチークやウリン、メルバウなどが台頭している。 国内メーカーは需要の低迷に加え、完成品輸入の攻勢に圧され気味だ。そのため、厚みのある挽き板でムク調に仕上げた複合フローリングや、木材利用ポイントや公共建築物等木材利用促進法の追い風を受けている杉や桧の国産針葉樹フローリングを、新たに品ぞろえする動きが活発化している。

夢ハウス

アカ松床材を年産3万坪、素足で歩ける床が好評

 

 夢ハウス(新潟県北蒲原郡、赤塚幹夫社長)は天然ムク材を使った家づくりで知られ、その代表的な建築資材の一つがアカ松ムク床材だ。自社物件及び全国300社のビジネスパートナー(BP)向けに一貫生産しており、年間3万坪の供給実績を上げている。アカ松ムク床材は厚さ30㍉と15㍉があり、1階30㍉、2階15㍉に使い分けている。素足で歩ける床として人気が高く、収縮や変形も少なく、安心して使えると好評だ。

日本オスモ

欧州最高峰の品質、木製家具の領域に

 

 日本オスモ(兵庫県三木市、松下秀社長)が取り扱うオスモホルツ(ドイツ)のムクフローリング「HQシリーズ」は欧州最高品質と称され、ハイエンドの需要層に深く浸透している。オークなど5樹種の原材料は本来であれば家具用に供される最高級グレードをフローリング用に採用し、21㍉厚、130㍉幅(オークは140㍉幅)と幅広。表面はオスモカラーポリックスオイル仕上げとし、木材の調湿機能を損なわないようにしている。

フリーAXEZ

ウッディーカーペット、国産材をOA床に 

 

 フリーAXEZ(東京都、長岡信玄社長)は国産材を利用したフローリンングユニット「ウッディカーペット」を全国販売している。素材は桧の間伐材やナラ材。6㍉厚の無垢または集成材(ナラ材はムク)の板を組み合わせ、500㍉四方の1枚のカーペット状にしたもの。それぞれの材がウレタンで張り合わされているため、床の不陸に柔軟に対応でき、施工もスチール製のOAシステムの上に張り合わせるだけで簡単に施工できる。

東集

欧州産アカ松主力に国産材まで幅広く対応 

 

 東集(東京都、杉垣信義社長)は、欧州産アカ松を軸に展開するフローリング販売が好調だ。同社は建材問屋でありながら、造作用集成材の生産を手掛け、施工付き販売やメンテナンスを得意としている。フローリングは、欧州産アカ松15㍉、無塗装品を主力に、カラ松、杉や桧といった国産材も取り扱っている。フローリングに合わせた羽目板を取り揃えるほか、見切りなど周辺部材を合わせて納材することが可能だ。

入江材木店

インドネシア産堅木に実績あり、チークとケンパスが二本柱

 

 入江材木店(東京都、入江由哲社長)は、平割やフリー板の取り扱いで実績があり、長年にわたる南洋材調達ルートを構築している。単層フローリングもインドネシア産を中心に販売している。品質と価格で競争力があるほか、日本ではマイナーな樹種が購入できる点も魅力だ。フローリングの売れ筋はチークとケンパスが二本柱。その他の樹種はメルバウ、アピトン(クルイン)、スンカイ(タモ)、クメア(茶褐色や黄色がかった堅木)、リングア(カリン、赤色)。植林材でアカシア、マホガニーもそろえる。いずれも堅木で歩行感が重厚で、傷がつきづらく寸法安定性も優れている。

テーオー小笠原

素材集荷から現場施行までの一貫供給

 

 テーオー小笠原(北海道函館市、小笠原康正社長)木材事業部の単層フローリングは文教をはじめとする非住宅施設向けと一般住宅向けの2種類を展開、高付加価値製品の開発も意欲的で、近年のニーズを細かく取り込んでいる。施設関連は屋内運動施設向けの乱尺「フローリングボード」、重歩行対応の乱尺「ポラリスボード」、乾式ブロックの「フローリングブロック」などを用意する。住宅向けはナラ幅広、床暖房対応、直貼りなどを各種用意して木建ルートはもとより、デベロッパーの仕様織り込みなどを進めている。

ミハマ通商

多様化する需要に対応、多品種強みに非住宅にも意欲 

 

 ミハマ通商(横浜市、山本路子社長)は常時4万坪以上を在庫して、多彩なニーズにきめ細かく応じられるよう配慮、近年は3層、複合フロアといった取り扱いや店舗など非住宅を意識した営業展開も始まっている。樹種はナラ、カバ、花林、チーク、竹はじめ約30樹種、サイズやクリアやオイル、無塗装などの塗装別、用途別などを考慮すると100種類以上が即納できる体制だ。主力はユニで、花林、チーク、アッシュ、オークは1枚ものも取り揃えている。

ミャンマーチーク販売

複雑な設計も材工で実現、みなとモデルにも対応

 

 ミャンマーチーク販売(東京都、臼井成美社長)は、ミャンマー政府の管理下で伐採された樹齢150年以上のチークを用いた、ムクフローリングや造作材を直輸入している。加工の担い手は現地の公的機関である木材公社で、日本人技師が技術指導、品質管理を行い、JAS規格に準じた高精度な製品を安定生産している。要望に応じチーク以外の材も扱う。特にミズメ桜は明るい色調が好評で採用が広がっている。東京都港区の「みなとモデル」にも対応し、オフィスビルに岩手産の栗のムク材を供給した。

江戸川木材工業

広葉樹、針葉樹ともに国産材積極活用

 

 江戸川木材工業(東京都、市川英治社長)は子会社江戸川ウッドテック(福島県いわき市、同)のJAS認定を取得する小名浜工場(同)で製造販売を手がけている。同社前身の江戸川建材工業からフローリング製造に携わって50年を迎えた。非住宅、住宅向けそれぞれの用途向けで生産を手がけているが、原料の広葉樹の多くを国産材で賄える点が特長だ。対応樹種は桜、栗、ナラ、胡桃、ケヤキ、ブナなどで、公共、民間問わず非住宅関連での引き合いが目立ってきており、OEM受注もこなす。

ウッディワールド

綿密な検品体制とアフター対応が高評価

 

 ウッディワールド(東京都、鈴見健人社長)は首都圏を中心に輸入販売を展開、常時40樹種を品揃えして大手から中小まで幅広い販売に携わっている。関東2拠点にユニを中心に常時1,200平方㍍ほどを在庫する。樹種は約40種ほどを設け、グレード、塗装別に細かな品揃えに努めて多様なニーズに対応する。ナラ1樹種でも4~5種が常時在庫される点が強みだ。このほどポルトガルのアモリム社と共同で開発した表面材コルクとポプラ合板複合の「ポルコルフロア」にも期待が寄せられている。

マルコー

施工品質で多様化するニーズに対応

 

 マルコー(東京都、田伏大伸社長)は床施工店大手でマンションの床は年間30万平方㍍を施工、そのほか文教、商業施設、公共物件など幅広い床施工に携わっている。従来の案件にも増してニーズの多様化を控えるなかで、どのような物件にも柔軟、かつ確かな施工を提案できることを念頭に、技術力と安全面双方での研鑽に力を入れている。同社の職方は仕上げ60人、下地90人(一部兼任含む)の計150人体制だが、常に前線の技術者と密な連携が図れるよう充実した取組を進めている。

エフトレーディング

幅広の1枚もので高付加価値追求 

 

 エフトレーディング(横浜市、福地英夫社長)は常時1万坪の在庫を通じた即納体制を確立、市場トレンドに配慮した提案力溢れる品目構成で差別化を図っている。取り扱い樹種は花林、チーク、オーク、ウォールナット、ローズウッドなど。定尺1,820㍉のOPCと乱尺の一枚物の提案に力を入れている点が特徴だ。また幅広製品にも意欲的で特に花林、チーク、オークは150㍉も展開している。塗装は無塗装とオイル仕上げを主力とするなど仕様、サイズ、仕上げそれぞれで、一味違った品揃えを実現している。

明治リビング

強い組織づくり、職人と一体となった床施行

 

 首都圏を中心に床施行を手がける明治リビング(東京都、川鍋順三郎社長)はマンションの複合フロア、二重床施行が売上の多くを占めているが、マンションエントランスやホテル、商業施設、文教施設、幼稚園、保育園などでムクを施行するケースは多い。ムクを施工する場合に特に気を配るのはムク特有の伸縮に対応する「逃し」のノウハウ。同社の床職人は全て専属で下地が約60人、仕上げが約40人を組織しているが、月1度の親方との打ち合わせなどの信頼関係向上を図ることで施工品質維持を心がけている。

ウッズ・マイスター

床暖房対応の展開に意欲、産地と交流し商品開発

 

 創業5年目となるウッズマイスター(東京都、二木浩一郎社長)は関東2拠点に約2万平方㍍を在庫してきめ細かな販売を心がけている。単層、複合で計50種を常時在庫しており、そのうち単層は約25種、10樹種を取り揃える。ナラとカバを中心に花梨、ブラックウォールナットなどのユニを主力に、ナラの一枚物にも力を入れる。床暖房対応製品の開発にも取り組み、90㍉の幅広仕様製品を先頃発売した。ナラ、花梨、カバの3樹種展開で天然乾燥、人口乾燥を程よく組み合わせることで製品化を実現した。

エスエフピーシステム販売

在来、2×4の床構造を効率化、一棟分の床下地と束を現場へ

 

 戸建て住宅の床構造を極めた「SFP合板強化床パネルシステム」を提案するエスエフピーシステム販売(茨城県つくば市、松田光雄社長)。SFP合板強化床パネルシステムは、JAS・F☆☆☆☆24㍉の構造用合板に、補強・連結合板と断熱材を工場でセットし、現場へ配送する。現場では、この床パネルを鋼製束1本で施工していくだけの簡単・単純な床組みだ。合板と断熱材のセット化や図面ごとの裁断、アッセンブル化などの工場加工も地域別に協力工場と提携が進み、全国的な拠点化も整ってきた。今年度は、大手住宅メーカーや地場ビルダーの採用が増えている。

山王

最高級品への需要に応えるプランク床

 

 内外産温帯広葉樹製材販売大手の山王(大阪市、岡田日出男社長)は、木製家具とともにムクフローリングを広葉樹の最重要分野と位置付け、商品開発、品揃えの強化を図っている。品揃えは、同社が直輸入する温帯産広葉樹粗挽き製材を原材料に、自社でフローリング加工する最高級材「プランクフローリング」を筆頭に、汎用需要向けユニタイプ、FJLタイプ、OPC(1枚物)タイプを取り扱う。特にプランクフローリングは、米加、欧州に幅広い粗挽き製材供給ソースを持ち、直輸入後、4拠点に在庫し、受注に合わせて同社の加工設備でムクフローリングなどの木材製品に最終加工する。

プレイリーホームズ

自然塗料仕様のエコプレーゼにツヤ消し新色を投入

 

 プレイリーホームズ(名古屋市、櫻井秀弥社長)は世界各国から約70樹種に及ぶムクフローリングを輸入・販売しており、無塗装品から国内の関連会社で塗装した自然塗料タイプまで用意して多様化したニーズに応えている。今月からはリボスオイル塗装商品「エコプレーゼ」シリーズにおいてツヤ消しの新色6色を投入し、一層の差別化を図った。北欧のRパイン製品、中国や東南アジアのナラ、カバ、チーク等の製品、国産の信州アカ松や東濃桧を使った和美フロアシリーズなどを展開しており、ムク床材全体では樹種で約70種、取扱量は月間7万~8万平方㍍規模に達している。

旭商事

豊富な常時在庫で即納体制を敷く

 

 旭商事(岐阜市、吉田尚人社長)では、直輸入販売している木材製品の90%をムクフローリングが占めている。特に付加価値が高い一枚物(OPC)を豊富に取り揃えており、オリジナル製品を主体とする約5万坪の常時在庫による即納体制を敷いている。特に力を入れている一枚物フローリングはナラ、タモ、ルビーウッド、ブラックウォルナット、ミャンマーチークなど多様な樹種を揃えている。新商品では、ドイツ産モミ製OPCフローリングの本格販売を開始した。また、今月中には東南アジア産のブリッドウッド製品が入荷する予定だ。

モリアン

ジャパン・スギ・プロジェクトを展開

 

 内装材製造大手のモリアン(大阪府岸和田市、森庵充久社長)は「ジャパン・スギ・プロジェクト」と銘打って、本格的な国産材内装材商品開発に乗り出した。同社の高度木材加工技術を活かし、意匠性を前面に出すことで内装材としての提案力を高めていくもので、同社の日吉工場(京都府)に設置してある特殊低温乾燥設備で45℃以下に温度設定し、芯から乾燥させることにより、杉本来の色艶、香りを引き出し、杉の油成分、樹脂分、酵素等を維持する。こうした工程で製造されたムク内装材を「BIO杉」と名付けている。品揃えはフローリングとピーリング(壁、天井板)。

木栄

素材生産から最終加工まで一貫体制で

 

 国産材針葉樹製材の木栄(兵庫県丹波市、森下清光社長)は数年前から、受注生産に基づく高付加価値商品の製造に集中している。特に国産材を使ったムク内装材は、独自の低温木材乾燥技術により、幅広い商品群を揃えている。このほど、フローリング表面の耐摩耗性能向上で取り入れているチタン系塗材8回塗り商品について改良を加え、発売を開始した。原材料丸太は外部購買に加え、自社素材生産部門からの丸太供給も増えており、素材生産から製材、2次加工まで一貫体制で行う強みを持つ。

新協商事

天然・植林チークが売れ筋、腰壁から造作材まで幅広い品ぞろえ

  

 新協商事(東京都、関野守康社長)は造作用集成材、内装ムク材、羽目板(腰壁や単層フローリング)などを扱うが、単層フローリングは売上高ベースで約25%を占めている。現在の売れ筋はチーク(ミャンマー産天然チーク、インドネシア産植林チーク)、ナラ(中国産)、サクラ(同)の順番で、戸建て住宅向けが大半となる。目下、フローリング全般の引き合の傾向としては、比較的高額品が売れるという。チーク、ウォルナットなどのOPC・幅広材で、数量は限られるもののこだわった需要がある。

丸紀

内外産樹種の品ぞろえ充実、紀州材の家具も開発

 

 化粧貼り和室造作材製造の丸紀(和歌山県御坊市、山田道夫社長)は、ムクフローリング、ウッドパネルの取り扱いも充実しており、特に紀州材杉、桧フローリングについては自社の高度加工設備や塗装設備を活かし、多様なニーズに呼応している。ムクフローリングの品揃えは、ホワイトオーク、レッドオーク、ビーチ、メープルなどの各種輸入品に加え、国産材も紀州材の杉、桧と幅広い。現在、洋机、いす、書架、服かけなどを、著名な工業デザイン会社に委託し開発中で、試作商品は11月6日から開催されるインテリアの展示会(東京ビッグサイト)での出展を計画している。

ヨシタメ

複数グレードで展開、床暖房、複合の分野にも展開

 

 銘木問屋のヨシタメ(東京都、瀧井行男社長)が輸入販売する単層フローリングは近年多様化するニーズに応えて多樹種、多グレードを揃えるほか、自社のサンダー加工機を通じて国内加工にも対応している。茨城県桜川市の同社物流拠点「銘木フローリングセンター」では、常時2万坪強を在庫している。今後は高まるニーズを受けて3㍉挽き材化粧の3層フロアを展開する計画だ。樹種はチェリー、ハードメープル、ヨーロピアンビーチなど7樹種を予定。また床暖房展開の品揃え、在庫販売をいっそう充実させたい考えだ。

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