外構材
外構材は天然木材を用いる場合や、木材を木材保存処理などを行うもの、木扮とプラスチックで成形する人工木材など、材料選択が豊富である。用途に応じてデッキ材を敷いたり、パーティションや手すり等を設置したりするほか、土地条件などでは高床式に仕上げて傾斜地の有効活用につなげている。また、建材メーカー関連で商品が充実しているが、庭先で過ごす時間をより快適にするため、屋外用家具をラインアップするほか、ガーデニング関連商品、ペットの洗い場など、ますます多様化し、細分化している施主ニーズを取り込む動きになっている。
人工木材が主力、売上好調
LIXIL(東京都、藤森義明社長)のデッキ商品は、TOEXブランドの人工木材「樹の木(きのき)Ⅲ」、天然木のウエスタンレッドシダ―を用いる「フリープランウッドデッキ」、新日経ブランドで人工木材ながら木質感を意識した「ファインステージⅡ」、トステムブランドで人工木材の「リコステージⅡ」の4商品が中心となる
豊富な在庫で短納期受注にも迅速対応
熱帯産広葉樹エクステリア材輸入販売大手であるタンセイ(大阪市、柳生忠則社長)はマニルカラを軸に、イタウバ、イペなど南米産エクステリア材を豊富に在庫販売している。主力となるマニルカラはウリンに匹敵する超硬木として知られ、水への耐久性能が抜群で、木肌の滑らかさ、色合いも良く、ウリンなどの東南アジア産材代替として育て上げ、マニルカラ材の取り扱いでは関西最大手に位置する。
デッキ用自然塗料を発売予定
内外産木材を幅広く取り扱う網中木材(東京都、網中勝社長)のデッキ材は、ビリアンとセランガンバツ、イペが中心で、販売数量は前年比横ばいで推移している。今春、ビリアンの産地価格が再び高騰したため、価格が近付いたイペの販売を強化しており、現在の販売比率はビリアン40%、セランガンバツ40%、イペ20%となっている。昨年前半はビリアンとバツで半々で、イペは要望次第という位置付けであった。
サンダー加工で高付加価値化
細田木材工業(東京都、細田悌治社長)は、外構材に適した高耐久木材を長年取り扱い、最近ではその蓄積された技術・知識を生かし、デッキの施工やメンテナンスにも積極的に取り組んでいる。扱い樹種はイペ、マサランドューバ、イタウバ、セランガンバツー、ウリン、レッドシダーと幅広く、顧客が望む材料特性や価格帯に的確に対応できる品ぞろえとなっている。
ブラジル産外構材のパイオニア
木材問屋の濱本木材(東京都、濱本敦子社長)が、ブラジルやペルーといった南米からハードウッドを輸入、外構材市場に乗り出して今年で17年ほどとなる。ブラジル産材としては主力のイペをはじめパープルハート、マサランドゥーバなど20種類におよび同業者のなかでも扱い材の多さと量ではパイオニア的存在となっている。
扱い材の7割がイペ
中昇木材(千葉県浦安市、中村秀臣社長)が取り扱う外構材はイぺを中心に約十種類。約七割がイぺでウリン、バツー、その他がそれぞれ一割づつとなっている。同社が濱本木材の景観材事業を引継、東京・新木場の営業所で外構材製品の販売をはじめたのは2005年から。
認証林区からの出材製品
輸入建材商社のミハマ通商(横浜市、山本路子社長)は、外構材としては「オーストラリアンサイプレス」と「セランガンバッー」を扱っているが、主力は四年前から始めた「オーストラリアンサイプレス」。日本では「豪州ひのき」の名で知られている。油が強いので虫が付きにくいなど耐久性では定評がある。
WRCの良さを広める
ウエスタンレッドシダー(以下WRC)の専門店である高広木材(東京都、渡辺昭社長)は、WRCの性質や使用方法などの情報を伝え、利用拡大に携わっている。同社は、WRCの日本での供給について当初は秋田杉の代替製品として、米杉として天井板などでの利用が多かったが、近年北米での利用法を紹介することなどで、外構材での利用が広がったものの、防火の関連から、シェイクなどの外壁材での利用は難しく、利用用途はさほど拡充していないとしている。
乾式防腐の委託注入処理
兼松日産農林(東京都、高崎實社長)の木材・住建事業部(取締役齋藤栄部長)では、杉や米ツガ等の素材に独自のLC-ポリフェノール保存処理木材の販売を始めている。
杉の有効活用で保存処理外構材を開発
ザイエンス(東京都、田中隆行社長)はこのほど、タナリスCYに専用着色剤を配合した保存処理薬剤で加工された外構用木材製品を開発、主にガーデニング等の園芸資材、エクステリア材としての新たな需要を開拓していく。将来的には同社のグリン材防腐防蟻土台PGスケヤーにも応用していく方針だ。
杉、桧のデッキ材好評
佐々木木材防腐(群馬県前橋市、佐々木国雄社長)は、国産材を活用した各種外構材の製造販売を行っている。景観材料、土木資材、ガーデニング資材など幅広い対応を図っており、杉、桧を原料にしたデッキ材の引き合いも伸びている
用途広がるアコヤ
注目されるアセチル化木材の「アコヤ」(タイタンウッド社・イギリス)。無害で高い耐朽性と優れた寸法安定性能を兼ね備えた持続性能・再生可能・生分解可能な次世代型高機能木材だ。日本総代理店の池上産業(広島県福山市、池上智重社長)は09年からアコヤの販売を開始し、取引関係者とともに様々な提案、用途開発を進めている。今年は公共建築物で初めて、町田市新庁舎の屋上庭園にアコヤが採用された。
硬木をはるかに上回る超高比重
木橋の設計、施工、既存改修などの第一人者で、天然木、人工木材、非木質資材など幅広いエクステリア材の取り扱いを行うラスコジャパン(兵庫県三木市、島谷学社長)は2年ほど前から本格的に輸入販売している人工木材「ドゥーザーウッド」の引き合いが好調だ。人工木材系でも価格優位性が優れていること、また超高比重で各種物性値が高く、中空タイプや低比重製品で問題となる割れや反り・曲り、内部空隙が発生しないことなどが評価要因となっている。デッキ材用途を主力とするが、看板等の部材、ベンチ、内装仕上げ材分野でも需要を
遮熱性能好評で増産体制
エア・ウォーター(大阪市、青木弘会長兼CEO)は03年から人工再生木材「エコロッカ」の製造販売を始め、公共物件や商業施設などの物件を中心に販売を伸ばしてきた。特に昨年は、独自開発した遮熱性能への評価が高まり、生産を上回る注文で増産体制を整えるほどとなった。今年も出荷は好調で前年比増が続いている。
第4世代製品、香港やベルギーで販売好調
WPCコーポレーション(東京都、菊池武恭社長)は、木材プラスチック再生複合材のルーバーやサイディング、デッキの販売や設計・施工を行っている。同社の売上割合は85%が海外(26カ国)で、15%は日本国内。海外ではアジアや中東を中心に出荷が好調だ。前期の販売出荷量は、ルーバーやサイディングが1万5000平方㍍、デッキが3万6000平方㍍だが、同社では付加価値が高く、利益率の高いルーバーやサイディングの販売に力を入れている
セランガンバツを直貿販売
木村物産(東京都、山下武之助社長)が販売するデッキ材は、セランガンバツ(バンキライ)やビリアンが主体だ。バツはインドネシア産を直貿で仕入れているが、同国製材規制で90角、105角などの断面が大きくなるものはマレーシア・サバ産セランガンバツで代替している。マレーシア産の仕入れは商社経由で天然乾燥材となる。
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