2013年回顧㊤樹種別・行政別・産業別で振り返るこの1年
景気上向き資材需要好調
国産材、需給で不安定さ露呈
2013年を振り返ると自民党が与党に返り咲き、アベノミクスと称された経済対策などで年初から円安反転、株価高騰と景気の回復傾向が見られた年だった。消費税率の引き上げを決め、年間で95万戸に達するのではないかというほど住宅着工は好調に推移し、東日本大震災の復興需要の台頭とともに職人不足の指摘が東北から関東、他の地域へも波及していった。
政策面では木材利用ポイントの創設、地域型住宅ブランド化事業、公共建築物等木材利用促進法など木造住宅、木造建築を後押しする制度が次々とできた。供給面では大型製材工場が各地で建設され、国産材支援施策もあり、国産材への期待が高まった。しかし、これは素材生産現場の改革にまで至らなかった。そのため、製材需要の急増に素材生産が追い付かず、国産材丸太の暴騰ともいえる値上がりが進行した。
その一方で、輸入材は欧州材、SPFデメンションランバーなど年初の産地価格高騰と国内需要の台頭から各社が仕入れを増やした結果、過剰入荷につながり年後半は在庫処分で苦労した。豊作貧乏と言われる状況で、木材会社の利益を圧迫した。輸入材の高騰、在庫過多という流れとは逆に、国産材は木材利用ポイント制度による地域材としての需要や、製品品質の向上などで競争力を高めた。間柱は木材利用ポイントで構造材としてカウントできるため、30万㌽獲得のための手段として間柱や合板を国産材に切り替える動きが活発化した。
住宅業界では飯田グループ6社が経営統合し、11月1日に飯田グループホールディングス(飯田GHD)が誕生、栃木県に大型プレカット工場を建設するなど大きな話題になった。
FIT(再生可能エネルギー固定買取制度)の導入により木質バイオマス発電の計画が林立し、計画としては全国で50以上にも上っている。林地残材の利・活用として注目される事業だが、1カ所で年間10万㎥規模の木質バイオマス資源を必要とするため、地域バランスを考えずに計画が複数同時に進行すると木質バイオマス資源の需給が乱れる危険性もある。
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