2016年レビュー②合板、木質ボード
木質パネルは国産化進む
輸入合板、減少続く
2016年の木質パネル(合板、木質ボード)供給量は879万5,762㎥(前年比3%増)で、前年に比べ約26万㎥増加した。16年増加分のほとんどが、前年より30万㎥超も増加した国産合板によるもの。国産合板は306万3,572㎥で07年以来9年ぶりに300万㎥を超え、針葉樹合板は289万7,218㎥で過去最高を記録した。
16年は新設住宅着工戸数が96万7,237戸(同6.4%増)と、13年の98万戸に次ぐ高水準を記録。特に木造戸数は54万6,336戸(同8.3%増)で、13年の54万9,971戸(同13%増)とほぼ同等まで増加した。この影響で合板、木質ボードともに増加した。内外産合板としては前年比3.4%増、木質ボード全体も同2.3%増と微増。輸入合板は15年の前年比60万㎥減という最悪期は脱したものの、16年も前年比4%減(同11万5,000㎥減)の277万650㎥でこの20年間では最低を記録。木質ボードもPB、MDF、OSBいずれも増加はしたが微増。こちらは現在の供給能力を上回る需要環境が続いているためだ。
16年は国産合板の輸出が9万3,594㎥(同17.1%増)と、前年より5万㎥も増加した。輸出のほとんどが構造用合板と見られ、この約9万㎥を差し引いても、13~15年の平均約243万㎥から16年は約30万㎥も増加している。
国産パネルは495万8,058㎥(同7%増)で、輸入パネルは383万7,704㎥(同2%減)となり、その比率は56.4対43.6。国産パネルは前年比で32万4,665㎥も増加した。国産合板のほか、MDFが2万2,000㎥増、PBも約2万㎥増加した。10年以降、国産パネルは400万㎥台を堅持しているが、そのなかでも最高の数字となった。
国産木質ボードも10~12年の170万㎥台に対し、13~16年は180万㎥台と、高水準を維持している。何より国産合板が07年以来9年ぶりに300万㎥台を回復したことが、国産パネル増加の最大要因だ。
対して輸入パネルは383万7,704㎥(同2%減)で約8万㎥減り、13年をピークに3年連続の減少。やはり3年連続で減少した輸入合板が、16年も前年比で11万5,000㎥減ったことが大きい。輸入MDFは7,500㎥増、PBが2万7,000㎥(うちOSBが約2万㎥)増えている。
輸入合板は型枠類を中心に市場環境が振るわず、16年8~9月ごろにようやく需給調整で相場を反発させた。それでも需要が盛り上がりだしたわけでもないため、引き続き低水準の入荷に抑えざるを得ない状況だ。そのためマレーシア産が1996年に100万㎥を超えて以来、最低の入荷量を2年連続で更新した。インドネシア産も15年よりは回復した。木質パネルの昨年の状況を振り返った。
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