2015年レビュー③合板、木質ボード、NZ、チリ材
輸入合板がシェア低下
梱包材需給は活気なし
2015年の木質パネル(合板、木質ボード)供給量は855万667㎥(前年比8.5%減)で前年より約80万㎥減少した。12年以来3年ぶりの800万㎥台となり、なかでも輸入品が前年比15%減で約70万㎥も減り、国産は同2.2%減で約10万㎥減少。そのため国産占有率は11年以降4年連続で上昇し、15年は54.2%となった。
13年以降、新設住宅着工戸数が年平均約93万戸の高水準を維持していることを踏まえると、その恩恵は主に国産パネルが享受している。
輸入合板と輸入木質ボードともに14年は前年比微減で収まっているものの、15年は輸入合板が17.3%減、輸入ボードが約8%減と大きく減った。15年輸入パネル減少分約70万㎥のうち、輸入合板が約60万㎥と86%も占め、輸入MDFも約5万㎥減った。つまり輸入パネルの減退は輸入合板の低迷だと言っても過言ではない。
ただ輸入パネルに占める輸入合板の割合は14年で約76%と、国産パネルに占める国産合板の割合約60%に比べて占有率が高いだけに、その増減が全体に大きく影響する。輸入合板に次ぐボリュームゾーンである輸入MDFは、内外MDF全体である程度需給が均衡し、顧客の必要なアイテムを受注生産するような仕組みが完結していることもあり、輸入合板のような大幅減には至らなかった。
輸入合板は14年末からのマレーシア・サラワク州違法伐採規制で15年半ばまで原木出材が減り、同8月ごろからは国内需給が急速に緩和した。
国産合板も13、14年と2年連続で281万㎥、15年も減ったとはいえ277万㎥を記録するなど、10~12年の年平均256万㎥より高い水準を続けている。
15年の内外産木質パネルの需給動向に加えて、NZ・チリ材の需給動向も掲載した。
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