森林認証材の現状と今後
東京五輪で一躍注目
COCなど供給体制整備にも動き
昨年12月に2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の技術提案のなかで建築家の隈研吾氏や大成建設などのグループが提案した案が採択された。この提案で屋根に木材を利用することが盛り込まれ、その木材利用には森林認証材の使用が謳われていた。オリンピック施設では、ロンドン五輪の開催時に森林認証材を利用することが盛り込まれていた。
新国立競技場で森林認証材を使用するというニュースは国内の木材関係者に大きなインパクトを与え、これまで森林認証材に価値をなかなか見いだせなかった我が国の林業や木材関係者にようやくその価値を見出せる市場が登場したことになる。
森林認証材とは環境破壊につながる森林伐採と持続性に配慮した森林から伐採された木材を認証し、ラベリングを行うことで森林保全につなげる狙いがあった。ただ、欧米とは違い消費者がホームセンターで環境ラベルを見ながら木材を購入するというながれには日本ではならず、そのメリットがみいだしにくい状況が続いていた。
森林認証材を一般に知らしめるきっかけとして、東京五輪は絶好の機会となり、なかでも計画を白紙撤廃して再度提案募集を行った新国立競技場のプロジェクトだったことが大きなインパクトにつながった。
新国立競技場の木材使用量は集成材で約1,800立方㍍を見込んでおり、量的な確保には大きな問題はなさそうだ。そこには森林認証材の使用が織り込まれており、まずはその部位ごとに森林認証材の連鎖が確立されているかが課題になる。提案採択された大成建設などのグループでは、まだ具体的な木材調達基準が定まっていない模様だが、先の提案で森林認証材の使用を盛り込んでいたことや近年のオリンピックでの施設整備では森林認証材の利用が一つの流れになっている。
森林認証材の供給の可能性について、各地の状況を取材、国産材による森林認証材の供給企業の一覧も掲載した。
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