特徴ある販売店㊤
地域ニーズを掘り起こせ
グループ化やネットワーク化で活路も
新築住宅市場に依存してきた木材・建材業界の販売店は今、まさに業態転換が求められている。住宅市場は少子高齢化、人口減少社会に向かい、新築を中心とした市場から中古住宅・リフォームなど、より費用を掛けない形で住宅を取得していく方向に変化している。10%への消費増税に伴う駆け込み需要が最後の新築需要の山と予想され、住宅業界は業態転換に迫られている。
主に中小工務店や大工を顧客層としてきた木建流通は新築から、中古・リフォームへと軸足を移していくことが求められている。市場変化だけでなく主要な顧客層である中小工務店の営業力が弱く、狭まる市場で大手との競合により退場を余儀なくされるところも出てくるとも見られている。
販売店は、どうやってこれから生き残っていくのか。その手法は様々だが、今のままでこの先5年、10年と事業を継続できるかというと難しいと言わざるを得ない。言い古された言葉で「工務店支援」というものがある。工務店の不得手な営業や法的知識、先進機器の情報などを販売店が補っていこうという考え方だが、これは実行して、成果を上げるのは難しい分野だ。国土交通省の地域型住宅ブランド化事業は、地域の中小工務店の営業力や技術力をグループ化によって補っていこうと実施されたものだ。補助金がグループ化を促してきたものの、それが定着したか、その成果は補助事業が終わってから問われることになる。
もう一つの選択肢は、販売店が元請け化すること。資金力、人材がある販売店は体力があるうちに元請け化することで、自社での受注は努力すれば一定の成果は上がってくる。工務店支援との違いは自社の頑張りが業績に直結することだ。
北海道の不動木材、丸昇八田、青森の丸重木材工業、秋田の角繁、岩手の工藤材木店、南洋建材、宮城のタカカツ、関東のトーイツ、石田木材、ヤマシナ商事、林材木店、島崎木材、北陸の南陽、タッセイ、長野のカネト、征矢野建材、東海の名東木材、ヤマガタヤ産業、山清片山、鈴三材木店の取り組みを紹介した。
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