2013年レビュー④欧州材
輸入量過去最高、米加材抜き首位に
年後半には間柱急落も
13年の欧州産針葉樹製材の入荷量は、320万1,000㎥(前年比31.1%増)となり、過去10年でみても最高となった。12年末からの構造用集成材の好況を背景に、ラミナ需要が拡大したほか、WウッドKD間柱など同年上期までの欧州産Wウッド小割材の手堅い需要も入荷を押し上げた。
リーマン・ショック以降、大手を中心に不採算事業を削ぎ落とし、事業再編を進めている。こうしたなか、11年から12年上期までは欧州域内や製紙需要の不振をはじめとする各国市場の沈下に甘んじる形で、欧州材の供給力とユーロ安が後押しした価格競争力を謳歌してきた日本市場だが、12年下期にはこれも一変した。
欧州産地の減産や在庫圧縮が奏功し始め、競争購買が価格交渉の主導権も欧州産地へと移っていた。ユーロ建て輸出価格は上昇し、日本側の購買力が伴うかが焦点となっていたが、12年の購買抑制や消費税増税前の駆け込み需要への期待感から日本の木材市況が上向き、欧州産地の強基調に追随した。そればかりか、日本側は積極的な買いを進めた結果、主要製品のラミナと間柱ともにユーロ建て輸出価格は値上がりした。ラミナは11年にどん底まで落ち込んだ価格を戻すといった感触が強かったが、間柱は産地にとっても魅力的な収益水準にまで値を上げ、供給圧力は一層高まった。
13年の供給主要国からの入荷量は、いずれも前年に比べ増加した。スウェーデンは92万5,000㎥(前年比17.3%増)、フィンランドは105万7,000㎥(同38.2%増)、オーストリアは38万㎥(同43.7%増)、ルーマニアは35万㎥(同23.7%増)で、なかでもH・シュバイクホファーが生産拠点を構える新興供給地であるルーマニアが過去最高となったことをはじめ、製材供給に特化した企業の多いスウェーデンは過去10年でみても最高となった。これに対し、構造用集成材と製材両製品の供給主産地であるフィンランドやオーストリアは、過去10年で最多水準に迫ったものの最多ではなかった。
欧州材の入荷動向、産地状況など13年を振り返った。
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