2×4コンポーネント特集
業界NO1の製造能力を生かし、大規模木造にも注力図る
三井ホームコンポーネント(千葉市、渡部一広社長)は、2×4コンポーネント工場のアッセンブル加工、パネル製造ともに、最大手の規模を誇る。同社の工場は、JAS認定を取得している千葉工場(千葉市)、埼玉工場(埼玉県加須市)、関西工場(大阪府岸和田市)と九州工場(福岡県飯塚市)の4か所。4工場合わせての月間供給棟数は、820棟で、うちパネルは430棟の生産能力を持つ。他に、全国19か所の提携協力工場で全国を網羅している。同社の加工は、三井ホーム向けが中心であるが、近年は工場の能力を生かし、100社以上から依頼にも応じている。特に関東圏では、千葉、埼玉と2工場体制で生産していることで工場から建築地に近い現場への配送を、円滑に行うことができる
千葉工場が新設され1年生産能力向上今後は大規模木造への取り組みにも注力
三菱地所住宅加工センター(千葉市、吉津耕次郎社長)は、昨年新設した千葉工場を中心に、生産の能力をアップしている。同社の生産拠点は、千葉工場(千葉市)、大阪工場(大阪府貝塚市)の2カ所で、供給実績は月間240棟。そのうち、パネルが65棟、プレカットが125棟となっており、パネルの増産にも力を入れている。近年は、三菱地所ホーム向け以外の一般市場からのコンポーネント需要の受け入れも多くしている。むろん、老人ホームやグループホームなどの非住宅の物件も、積極的に受け入れている。
多様な販売形態でランバーの取扱量首位
ウイング(東京都、羽山英男社長)の特長の一つは、コンポーネント材の加工に加え、商材販売も行っていることだ。商材を含めたランバーの取扱量は月間2万立方㍍規模と国内首位で、主力工場の白井工場を始め、福岡、東北の三拠点で生産を行っている。木材を多様な商流と形態で販売出来る業容と対応力が強みだ。
プラン提案、構造計算を含む包括的なトラス提案を実施
プライムトラス(東京都、久保隆一社長)のトラスの生産量は月間300棟規模と国内首位を誇る。工場は、宮城、栃木、三重、山口の4ケ所にあり、北海道から鹿児島に至る広範囲の商圏をカバーする。 トラス、パネル両方の生産を行うが、とりわけトラス関連のサポート体制では他社の追随を許さない。本社では一級建築士事務所の登録を行っており、プランの提案から構造計算まで一気通貫のサービスを提供する。
“パネルのランバーテック”が定着
ランバーテック(埼玉県蕨市、斉藤一男社長)は関東一円を商圏とするが、特筆すべきはそのパネル加工能力だ。月間生産量は約120棟と、関東圏のパネル生産では三井ホームコンポーネントに次ぐ規模を誇る。規模だけでなく、パネルの加工精度にも定評があり、ラインはフル稼働が続く。“パネルのランバーテック”の名をほしいままにするゆえんだ 高橋木箱製作所
2事業所で5000~6000坪体制
木箱や特殊梱包と2×4工法の床・壁・野地バネル製造の高橋木箱製作所(東京都、嶋田貫一社長)は、茨城県稲敷市の2×4パネル加工の茨城事業所を同県鹿嶋市の鹿嶋事業所へ移設・集約してほぼ1年が過ぎた。2×4住宅向けのパネル加工は関東主体に東日本は鹿嶋事業所、中部・関西主体に西日本は愛知県岡崎市の大門事業所がエリア展開する。 ただし、梱包事業は東が秋田・土浦等が西日本の呉や笠戸まで全国10数カ所に加工拠点が地の利を活かせることも可能になる。大口や急ぎ、複雑な2×4事業は鹿嶋と大門に集約されるが、クロスカット程度の加工なら点在する事業所でも可能という。
セイホクビルド
自動釘打機・合板カット機を導入
セイホクビルド(東京都、及川静一社長)の茨城事務所のパネル供給棟数は月間約50棟(2000坪)。月間供給力は約3000坪体制で、これまでの設備投資と高精度な品質で安定的に生産している。
パネル・プレカットの品質追求
シーアイウッド(千葉県袖ケ浦市、杉江繁一社長)の2×4加工事業は月間約5200坪で、昨年と同等の水準を維持している。消費増税後は、得意先の注文戸建ての堅調に対し、分譲がやや減少。これを、新たに取り組む賃貸住宅の受注が補っている。
建て方強化で差別化
藤田木材(栃木県鹿沼市、藤田一実社長)は昨年からフル稼働。増税前の駆け込み需要を取り込み、能力いっぱいで供給し、昨年度以降も比較的堅調な受注が続いた。
館林事業所レイアウトを変更
長谷川萬治商店(東京都、長谷川健治社長)は、工場生産性のカイゼン活動を継続的に行い月間2000坪の生産量を維持しながら利益率を改善できるよう工場内レイアウトの変更などを行う省スペース化、活人活動を進めている。
2x4土台の邸別納材本格化
木材保存処理大手のザイエンス(東京都、田中隆之社長)は、2×4住宅土台等の実寸による邸別納材を本格的に開始した。既に千葉工場、関東工場、大阪工場、塩釜工場に加工設備を導入、引き続き新潟、広島工場にも2×4住宅土台等の実寸カットに向けた設備の整備導入を進め、全国規模でのきめ細かい納材体制を整備するとともに、全体供給能力を月間1200棟まで高めていく。
2x4金物品目を拡充
木造住宅用接合金物の製造および販売を手掛けるヤブモト工業(大阪府、藪本光彦社長)は、2×4工法用締結金物(略称Cマーク)を中心に木造建築物用各種金物を製造販売会社。同社は、2×4工法における金物販売で大阪、東京を拠点に、全国的に販売を行うとともに、関東かつ都内に営業所がある機能を生かし、都内唯一のCマーク金物供給メーカーとして、需要に応えている。
加工の質にこだわり
太平ハウジング(岐阜県可児市、西長四郎社長)は、フルパネル出荷が可能なJAS認定工場で月間約40棟の加工を手がけている。4月の消費増税後は、駆け込み需要の反動で加工量が減少に転じたが、現在は加工の質の高さを設計者などに積極的にアピールするなど、住宅のほか非住宅分野への取り組みを強化している。
2×4工場への支援強化
鈴工(三重県伊勢市、牛場まり子社長)は、搬送システム等を含めて総合的な自動ラインを提案できる体制が有している。今後も作業効率という基準のもと、機械化と人力のバランスを重視して加工工程、組み立て工程双方の高効率化を図っていく方針だ。
3工場で月間80棟体制構築
ビルド・アップ(静岡県富士市、稲垣里志社長)は、月間80棟のパネル加工およびプレカットを行っている。この2年間で生産拠点は3工場に拡大し、部材のマシンカットと壁パネル製造の工程をそれぞれ専門工場に分けて生産力を強化した。また、このほど本社近隣に7000平方㍍の物流倉庫を開設して材料と加工済み材の在庫・配送能力を引き上げた。
新ソフトで長期優良住宅に対応
キャリアネット(名古屋市、鈴木和広社長)は2×4の構造設計から生産設計、見積・積算にまたがるトータルCADソフト群の開発から、ソフトと連動して生産性を向上させる各種加工機などハードの開発まで手がける。近日中には2×4構造システムの新ソフト「K’z-newPro」を本格発売し、長期優良住宅の各計算と申請書類作成ができるツールとして普及を図る。
2×4の合理化、自動化提案
搬送プラント・ロボット及び特殊機械設計・製作等を行う内外工業(広島市、三浦公司社長)は2×4工場向けに総合的な設備提案している。最近は高性能カット機から次の合理化に向けてCAD/CAMによるシージングマシン(自動合板釘打ち機)といった導入が増え、生産ラインの自動化が進んでいる。
非住宅向け受注強化
王子グループのなかで王子木材緑化(東京都、鎌田和彦社長)は、同グループが国内外に保有する森林資源を総合的に活用し、付加価値を高める取り組みを進める中核会社だ。その一環として、行っている住宅・建築資材供給のなかでも2×4コンポーネント事業は、北海道と新潟の直営工場が高品質は住宅部材を製造、販売している。
加工品質が武器
テーオー小笠原(北海道函館市、小笠原康正社長)木材事業部函館支店が手掛ける2×4パネルは全量パネルで月間15棟を供給、これは昨年、道南地区の新築着工減は全国と比較しても減少が著しいが、貸家の受注増や得意先の健闘にも恵まれ、年内はフルに近い生産量を維持できる見通しだ。
複雑な屋根部材を高速加工
日新興産(東京都、原口博光社長)は2×4工法がオープン化される前の1971年から、2×4部材加工機械の開発に取り組み、各種専用機械を設計・製作してきたパイオニア企業だ。同社の加工機械の特徴は、精度が高く、高速な切断に対応している点だ。
各種サービス充実
佐藤木材工業(北海道北斗市、佐藤久幸社長)の2×4事業は全量パネルでの出荷で本社工場からは道南地域全域の出荷を手掛けるほか、同業とのCAD/CAM共有によって広域の販売が可能な体制を確立している。
田島木材
工場貸出で住宅コスト削減
田島木材(北海道北斗市、田島義光社長)は2x4工場を貸し出すという形態で月10棟ほどの加工で推移している。
高精度パネルに信頼
北関東パネルシステム(群馬県渋川市、佐藤秀樹社長)は、高精度のパネル生産で定評があり、大手ハウスメーカーから地場ビルダー、工務店の幅広い層に支持されている。パネルは熟練技術者が建て方まで対応、床・壁・屋根のフルパネル化で月産30棟、プレカット同10棟の合計40棟を上げている。
豊富な在庫で安定供給
アジアトレーディング(群馬県前橋市、金井英康社長)は2×4資材の直輸入販売を行なっており、ランバーは常時2000立方㍍以上の在庫量で安定供給を図っている。近年、ランバーコアが伸びており、20年東京オリンピック・パラリンピックに向けて需要増が期待されている。このほかDIY商品のほか、イーゼル・額縁等では国内有数の取扱量を誇る。
港頭在庫で利便性向上
カナダ西部内陸産SPF2×4製材輸入大手で、三都を軸に、港頭での在庫販売も展開するシー・エル・エス(兵庫県尼崎市)は、月間2000立方㍍前後のSPF2×4製材を安定的に輸入する。基本はつなぎ販売だが、東京、大阪港を拠点に常時3000立方㍍弱の製材を在庫し、2×4コンポーネント向けに現物でのきめ細かい販売も行う。今春のBC州コンテナスト長期化では、同社の国内手持ち在庫が、取引先コンポーネント会社の原材料確保に貢献した。
関西2x4大手の一角
関西地区の2×4コンポーネント大手である関西ウイング(大阪市、杉直人社長)は府下の泉南市に関西ウイング流通センターを持ち、同所で2×4コンポーネント、パネル加工を行う。現在の生産高は平均して月間130棟、前年同期比で20棟前後減少している。このうちパネル加工は同30棟で、それほど高くない。主要商圏は関西、東海であるが、特に関西市場は狭小地施工物件が多く、パネル対応しづらい点も影響している。
パネル生産拠点を集約
シー・エス・ランバー(千葉県東金市、中井千代助社長)はシージングマシンの増設に伴い、東金工場の駐車場を移動して造成した敷地に2×4パネル生産設備を集約した。従来は工場の空いたスペースを活用して設備を増強してきたため、それぞれの機械が工場の内外で分散していた。集約化により、プレカットからパネル制作まで一連の流れが効率化された。
バビーンの2x4製材軸に展開
米加産製材供給大手トランス・パシフィック・トレーディング(BC州リッチモンド、ジム・タイラー社長)は今春から、ハンプトンアフェリエーツ(オレゴン州)傘下のSPF製材大手工場バビーンフォレストプロダクツ(BC州)製品の日本向け出荷を開始した。日本での市場開拓等は同社日本法人(東京都、茨木康雄社長)が受け持ち、最終需要家ニーズに即した新しい販売方式を提案していく。同社製品と合わせ、アスペンプレーナー(BC州)のSPF2×8、2×10Jグレード材の供給も本格化させる。SPF製材についてはブッシェ(アルバータ州)、ザビシャ(同)なども取りそろえる。
木口面への印字も可能
ヴァイニッヒ製品を取り扱うDKSHジャパン(東京都)は、2×4工場で稼働するクロスカットソーとして高い導入実績をもつヴァイニッヒ製の「オプティカット」を提案している。 オプティカットは、高い寸法精度や高速加工など機械的な能力の高さと、部材リストにある様々な寸法材を歩留まり高く合理的に生産するなど、ソフト面の能力の高さを同時に兼ね備えている。
マグサ自動釘打ち機が人気
2×4工場向けに各種加工機を供給するサンキ(奈良県北葛城郡王寺町、亀川清吉社長)は、合わせマグサ自動釘うち機やトラス全自動生産ライン「オートアイシステム」(ランデック)などを提案している。 特に合わせマグサ自動釘うち機では、注目される国産材2×4に対応するため、釘うち力を調整できるように改良し、杉の加工を可能にした。同機は、両サイドから合計4台の釘打ち機を同時に駆動させ、『千鳥打ち=合わせ柱』『平行に釘打ちするマグサ・マグサ受け』を一台の機械で行うよう設計。2336スタッドで千鳥打ちを行った場合27~30秒で完了する。
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